解説

2026年 日本の手取りはいくら?社会保険料・所得税・住民税のしくみ

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求人票や内定通知に書かれている給与は額面です。実際に毎月口座に振り込まれる手取りは、社会保険料・所得税・住民税が差し引かれるため、それより少なくなります。このガイドでは、2026年の各控除を公的な料率に基づいて解説し、具体的な計算例を紹介します。内容は一般的な情報提供であり、税務上の助言ではありません。数値は令和8年分(2026年分)で、2026-10-12時点で確認しています。

ご自身の手取りを試算するには、手取り計算シミュレーターをご利用ください。

給与から差し引かれるもの

協会けんぽに加入する会社員の場合、本人負担として社会保険料(健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金・厚生年金・雇用保険)と税金(所得税・住民税)が差し引かれます。

控除項目 2026年の料率 本人負担
健康保険 東京都は9.85%、都道府県により異なる(協会けんぽ、2026年3月分保険料から) 折半
介護保険(40〜64歳のみ) 1.62% 折半
子ども・子育て支援金(新設) 0.23%(2026年4月分保険料から) 折半
厚生年金 18.3% 折半(9.15%)
雇用保険 賃金の0.5%(一般の事業、2026年度) 労働者負担分
所得税(年税額・年末調整後、復興特別所得税を含む) 5%〜45%の累進税率 × 102.1% —
住民税 課税所得の約10%+均等割・森林環境税 —

健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金・厚生年金の保険料は、実際の給与額ではなく、等級で決まる標準報酬月額に料率をかけて計算します。厚生年金では、標準報酬月額は65万円が上限です。

手取り = 額面給与 − 社会保険料(健康保険+介護保険+子ども・子育て支援金+厚生年金+雇用保険)− 所得税 − 住民税

2026年分の所得税の計算方法

所得税は、給与収入から給与所得控除を差し引いた給与所得が出発点です。そこから社会保険料控除と基礎控除を差し引き、累進税率をかけます。その結果に102.1%をかけて、2.1%の復興特別所得税を上乗せします。

令和8年度税制改正で、次の2つの控除が引き上げられました。

  • 基礎控除: 合計所得金額489万円以下なら最大104万円、655万円以下なら67万円、それを超える場合は62万円で、さらに高い所得では段階的に縮小し、最終的にゼロになります。
  • 給与所得控除: 給与収入220万円以下の場合、最低保障額は74万円です。

この改正は2026年12月1日に施行され、令和8年分(2026年分)以後の所得税に適用されます。国税庁のQ&A(Q1-1)では、「令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税について適用されます」とされており、2026年11月までの給与の源泉徴収は変わりません。実際の流れは次のとおりです。

  1. 2026年1月〜11月:毎月の源泉徴収は従来の税額表を使うため、最終的な税額より多めに天引きされます。
  2. 12月1日以降に行う年末調整(通常は12月の給与)で、新しい控除額により1年分の税額を計算し直すため、通常は還付になります。
  3. 2026年最後の給与が11月30日までに支払われる場合(年の途中で退職した場合など)、年末調整は改正前の金額で行われます。改正後の控除は確定申告で適用を受けられます。
  4. 2027年1月1日からは、新しい源泉徴収税額表が適用されます。

シミュレーターに表示されるのは、毎月の源泉徴収額ではなく、**所得税(年税額・年末調整後、復興特別所得税を含む)**です。

住民税が試算にとどまる理由

住民税は**前年(1月〜12月)**の所得に対して課税され、6月から翌年5月まで天引きされます。シミュレーターは2026年の給与にかかる住民税、つまり2027年6月から徴収される金額を計算します。そのため、今年の給与明細の金額ではなく、同じ年収が翌年も続く場合の見積もりです。

計算には、課税所得に対する標準税率10%、基礎控除43万円(住民税の基礎控除は引き上げられていません)、給与所得控除の最低保障額74万円(住民税では令和9年度分から適用)、調整控除、そして均等割4,000円と森林環境税1,000円を使用しています。

計算例:東京都、30歳、独身、年収400万円

ステップ 計算式 結果
月額給与 4,000,000 ÷ 12 333,333円
標準報酬月額 報酬月額33万円以上35万円未満の等級 340,000円
健康保険料 340,000 × 9.85% ÷ 2 16,745円
子ども・子育て支援金 340,000 × 0.23% ÷ 2 391円
厚生年金保険料 340,000 × 18.3% ÷ 2 31,110円
雇用保険料 333,333 × 0.5%(端数処理) 1,667円
社会保険料(年間) 49,913 × 12 598,956円
給与所得 4,000,000 × 80% − 440,000 2,760,000円
課税所得(所得税) 2,760,000 − 598,956 − 1,040,000、1,000円未満切り捨て 1,121,000円
所得税(年税額・年末調整後、復興特別所得税を含む) 1,121,000 × 5% × 102.1%、100円未満切り捨て 57,200円
課税所得(住民税) 2,760,000 − 598,956 − 430,000、切り捨て 1,731,000円
住民税(試算・森林環境税を含む) 10%から調整控除2,500円を引き、均等割4,000円と森林環境税1,000円を加算 175,500円
手取り 4,000,000 − 598,956 − 57,200 − 175,500 3,168,344円(月平均264,029円)

11月までの毎月の源泉徴収は従来の税額表で行われるため、この例では年間の所得税57,200円より多く天引きされます。差額の約3万円は、通常は年末調整で戻ってきます。

同じ前提は手取り計算シミュレーターの初期値でも確認できます。年収・勤務地・年齢を変えて、ご自身の目安を出してください。

同じ計算ロジックによる、ほかの年収の例です。

ケース 社会保険料 所得税 住民税(試算・森林環境税を含む) 手取り
年収200万円、東京都、25歳、独身 299,460円 0円 55,500円 1,645,040円
年収600万円、大阪府、45歳、収入のない配偶者あり 938,400円 104,700円 268,500円 4,688,400円
年収1,000万円、東京都、35歳、独身 1,265,676円 822,200円 637,800円 7,274,324円

年収1,000万円では厚生年金の上限がかかります。給与が上がるほど社会保険料の負担割合が下がるのは、これが一因です。

シミュレーターで考慮していないこと

以下の簡略化は、シミュレーター上でも明記しています。

  • 給与は12か月均等とし、賞与・残業代・通勤手当は含みません。実際には、標準報酬月額は原則として4月〜6月の給与をもとに決まります(定時決定)。
  • 12か月すべてに2026年の料率を適用しています。実際には、新しい健康保険料率は3月分、子ども・子育て支援金は4月分の保険料から始まり、雇用保険料率(本人負担)は3月まで0.55%でした。
  • 所得税は毎月の源泉徴収額ではなく、年税額(年末調整後、復興特別所得税を含む)です。
  • 住民税は標準税率による試算です。超過課税を行う自治体もあります。
  • 協会けんぽのみ対応しており、健康保険組合の料率は異なります。
  • 配偶者特別控除、生命保険料控除、iDeCo、医療費控除、ふるさと納税、住宅ローン控除、給与以外の所得、70歳以上には対応していません。

よくある質問(FAQ)

手取りはどう計算しますか?

手取りは、額面の給与から社会保険料(健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金・厚生年金・雇用保険)、所得税、住民税を差し引いた金額です。保険料は標準報酬月額に料率をかけて計算し、所得税は年税額・年末調整後(復興特別所得税を含む)、住民税は前年所得ベースの見積もりです。

社会保険料には何が含まれますか?

協会けんぽ加入の会社員の場合、本人負担は健康保険、介護保険(40〜64歳)、子ども・子育て支援金、厚生年金、雇用保険です。健保・介護・支援金・厚生年金は標準報酬月額に料率をかけて会社と折半し、雇用保険は賃金の0.5%(一般の事業・2026年度)を本人が負担します。

2026年(令和8年)の基礎控除はどう変わりますか?

令和8年度改正で、合計所得489万円以下なら基礎控除は最大104万円、655万円以下なら67万円、それを超える場合は62万円です。給与所得控除の最低保障額は74万円です。改正は2026年12月1日施行で、令和8年分の所得全体に適用されます。

住民税はいつ・何の所得にかかりますか?

住民税は前年(1月〜12月)の所得に対して課税され、6月から翌年5月まで給与から天引きされます。シミュレーターが示すのは2026年の給与にかかる住民税、つまり2027年6月から徴収される分の見積もりです。就職1年目で前年所得がなければ、通常かかりません。

年末調整と毎月の源泉徴収の違いは何ですか?

毎月の所得税は源泉徴収税額表で天引きされ、1年分の税額は年末調整(通常は12月の給与)で精算されます。2026年は引き上げ後の控除が12月1日に施行され年分全体に適用されるため、11月までの源泉徴収は多めになり、通常は年末調整で還付になります。

年収から手取りの目安を出すには?

額面年収・勤務先の都道府県(協会けんぽ支部)・年齢・扶養の有無をそろえて計算します。このガイドの計算例と同じ前提なら、手取り計算シミュレーターで同じ数字を確認できます。賞与や独自の健保組合がある場合は目安にとどまります。

なぜシミュレーターは協会けんぽの料率なのですか?

協会けんぽは都道府県(支部)ごとに料率が公表されており、比較しやすいからです。勤務先が健康保険組合や共済組合の場合は独自料率のため、結果は目安になります。勤務先の都道府県(協会けんぽ支部)を選び、料率の違いを反映してください。

12月の給与がいつもより多くなるのはなぜですか?

毎月の所得税は源泉徴収税額表に基づいて天引きされ、1年分の税額は年末調整(通常は12月の給与)で精算されます。2026年は引き上げ後の控除額が12月1日に施行され、2026年分の所得全体に適用されるため、通常は年末調整で還付になります。

給与明細の住民税が試算と違うのはなぜですか?

住民税は前年の所得に対して課税され、6月から翌年5月まで天引きされます。シミュレーターで試算するのは2026年の給与にかかる住民税で、2027年6月から徴収される分です。2026年に払う住民税は2025年の所得が基準で、就職1年目で前年の所得がない場合は、通常かかりません。

勤務先が独自の健康保険組合に加入している場合も使えますか?

目安としてご利用いただけます。シミュレーターは勤務先の都道府県(協会けんぽ支部)の保険料率を使用しています。健康保険組合や共済組合は、それぞれ独自の料率を定めています。

40歳から控除が増えるのはなぜですか?

40歳から64歳までの人は、介護保険料も納めます。協会けんぽの2026年度の介護保険料率は標準報酬月額の1.62%で、会社と折半します。

これは税務上の助言ですか?

いいえ。本ガイドとシミュレーターは一般的な情報提供と目安の試算であり、税務上の助言ではありません。実際の税額や保険料は源泉徴収票・住民税決定通知書・勤務先の明細を優先し、必要なら税理士や自治体にご確認ください。

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出典

すべて2026-10-12に確認しました。特記のないものは令和8年分(2026年分)です。

本ガイドは一般的な情報提供を目的としたもので、税務上の助言ではありません。詳しくは免責事項をご覧ください。

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